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浅間山の噴火に備える!最先端技術「無人化施工機械」操作講習会に参加しました
1. 浅間山の噴火に備える、防災最前線の現場
10月23日(木)、24日(金)の2日間にわたり、浅間山の火山噴火を想定した無人化施工機械の操作講習会が開催されました。
昨年の講習会は一般の方も対象していましたが、今年は地域の防災を担う利根川水系砂防事務所職員をはじめ、関東地方整備局の方々、そして私たち竹花組を含む災害協定会社を対象とした、より実践的な内容となりました。


現在、竹花組が工事を進めているR6大日向川砂防堰堤工事の現場である浅間山周辺では、万が一噴火が発生した場合、冬場の積雪期に火砕流が発生すると、雪を急速に溶かし、大規模な融雪型火山泥流が発生するリスクがあります。また、噴火後の降雨によって土石流が発生することも予想されます。
私たちは、これらの土砂災害から地域を守るため、緊急対策工事に取り組んでおり、その中で作業員の安全を確保する上で、最先端の無人化施工技術の活用が欠かせません。

2. 初めての遠隔操作体験は「ガックンガックン」?!
講習会は、会場である浅間山砂防事務所浅間出張所の2階に設置された操作室での説明から始まりました。
その後、参加者は2つのグループに分かれました。一方のグループは操作室で遠隔操作体験を行い、もう一方のグループは無人化施工機械が実際に稼働している濁川第一砂防堰堤へ移動し、現場見学を行いました。


今回の講習会で使用された重機は、「MCバックホウ」と「キャリアダンプ」です。
(キャリアダンプ)

(MCバックホウ)

操作室から約3.5km離れた現場にあるこれらの重機を、まるでラジコンのような操作機器を使って遠隔操縦で動かします。実施されたのは、MCバックホウによる掘削と、キャリアダンプによる運搬です。


実は、この講習会の前に、特別に竹花組社員対象の操作体験会があり、私も体験させてもらいました。

初めての遠隔操作では、レバーを少し動かしただけで重機が「グンっ」と急に動き出したり、一つ一つの動作を確認しながらツールを見つつ行うため、重機が「ガックンガックン」と、なんともいびつな動きに…(苦笑)😅
なかなか滑らかに操縦することはできませんでした💦
改めて、現場で重機を操るプロのオペレーターの方々が、いかに簡単そうに、手足のように滑らかに重機を動かしているのかを実感しました。やはり、熟練の経験と知識があってこそなせる「職人技」なのだと痛感しました。
(2日目の無人化施工機械操作体験会にて竹花組の重機オペレータによる操作デモンストレーション)
3. 遠隔操縦を可能にする最先端技術を解説
今回の講習会では、私たちの操縦技術だけでなく、それを実現する最先端の建設技術(ICT)も学ぶことができました。
(ICT建機のマシンコントロール(MC)とは)
ICT(情報通信技術)を活用した建設機械で、特に「マシンコントロール(MC)」は、自動車で例えるなら自動運転機能のようなものです。カーナビのようにオペレーターを誘導するマシンガイダンス(MG)とは違い、事前に設計データを入れると、重機が自分で位置を測りながら、掘削の深さや角度を自動で調整してくれます。おかげで、経験が浅くても設計通りの高精度な作業ができ、作業の効率化と品質向上に貢献します。今回の講習会で使用されたのは「3DMCバックホウ」という立体的な施工が可能なタイプです。
(視認性に優れたタッチパネル式モニタ)


無人化施工の仕様
無人化施工では、標準機械に「後付け遠隔操縦装置(アクティブロボSAM)」を搭載し、現場にいる作業員はゼロ。
操作室に設置されたカメラ画像だけを頼りに遠隔操縦を行います。

現場の通信インフラ「Starlink(スターリンク)」
通信インフラには、衛星通信のStarlinkが使用されました。
**スターリンクの仕組み:スターリンク衛星は、地上から500㎞~600㎞の低い高度を高速で飛んでおり、地球全体を網の目のように覆っています。このため、携帯電話の電波が届きにくい山間部の建設現場でも、どこにいても通信できるのが大きな特徴です。
現場には、通信を安定させるためにスターリンクアンテナが2つ設置されていました。


4. 遠隔操作の課題を乗り越えるソリトンシステムズ社の技術
超遠隔操縦において、通信は生命線です。遠隔で利用する上で、以下のような課題があります。
1.データの安定化
2.データ通信量(特に上り、つまり操作室へ送る映像などのアップロード速度が遅い)
3.双方向通信方式の技術的課題
これらの課題を乗り越えるために、今回はソリトンシステムズ社のクラウド環境が採用されました。


(双方向通信方式とは)
簡単に言うと、お互いが同時に話せる電話のような通信方式です。遠隔操縦では、操作室から重機へ『動け!』という制御信号を送り、同時に重機からは操作室へ『今どんな映像だよ!』という状況映像をリアルタイムで同時に送受信する必要があります。これが途切れずに行えるのが「双方向通信」であり、スムーズな操作には欠かせません。
(ソリトンシステムズ社「クラウド環境」とは)
現場の通信課題(通信が切れやすい、データが遅い)を解決するために採用された、同社独自のシステム基盤です。このクラウド環境は、複数の携帯電話回線やStarlinkといった異なる通信回線を束ねて一本の太いパイプのようにすることで、通信を安定させます。これにより、映像や操作信号が途切れず、安全かつスムーズな遠隔操作を、山奥の現場でも実現しています。
5. まとめ:最先端技術で地域防災に貢献
今回の講習会は、浅間山周辺の土砂災害に対する緊急性の高さを再認識するとともに、最先端のICT技術や衛星通信(Starlink)、そしてその通信を支えるクラウド技術が、いかに私たちの仕事、そして地域防災に貢献しているかを体感できる貴重な機会でした。
竹花組は、こうした最新技術を取り入れながら、今後も地元の安全を守る工事に尽力してまいります。
💻 未来の長野県を創る仲間を募集しています!
今回の講習会のように、私たちは最先端の技術を活用して、地元の長野県(佐久広域エリア)の安全と未来を守る仕事をしています。
「文系だから土木は難しそう…」「専門的な知識がないから不安…」と感じている方も安心してください。竹花組は、研修制度や資格取得のサポート体制が充実しており、未経験からでも着実にスキルアップできる環境です。
また、「プライベートも大切にしたい」という方もご安心ください。地域密着型の会社だからこそ、自宅から通いやすい現場が多く、仕事とプライベートのバランスをしっかり取れる勤務環境を整えています。
「地元(佐久市周辺)に戻って、地域に貢献しながら働きたい」「最先端の技術に挑戦したい」——そんな想いを持つ方からのエントリーを心からお待ちしています。
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